タイトルの言いたいことを我慢しなければならない時など生きていれば無数にあるだろう。
昔雇った人間の話しだ。
私が被雇用者に対してそうせざる得なかった時の事を書く。
このシリーズは詳細に書くと私の心が汚れるので短文で終わらせようと思う。
雇った当時は60歳前後だった。2012年だった。
まだ悪夢の民主党政権の時代であり、弊社のような零細会社でも職種に因るが1人の募集に対して10人前後の応募がある時代だった。
面接した中では一番礼儀正しく、話している事も一応筋は通っていたので採用することにした。
弊社のような零細だと応募してくる人間の質も低く、面接中に私を指差すのや煙草を吸おうとしだし灰皿がないと分かると帰ってしまうようなのもいる。
彼はハズレだった。
遅刻(寝坊とかではなく最初から時間を守る気がない)、大言壮語、面倒な事はやらない、私に暇になると無意味な電話をしてくる(肝心な自分で対処しなくてはいけない事が発生した時は自分がやる事になるから連絡はしてこない)。
色々あるが、一番私が腹立たしかったのは虚言壁であった。
最初は彼の言う事を鵜呑みにしていたが、早い段階で大ウソつきだと分かった。
彼は持病を抱えていた。
彼は面接で持病のせいで職を転々とせざるを得なくなったと話した。
持病自体は本当だったが、職を転々とするハメになったのは彼の人間性によるものであった。
雇い始めてから1年ほど経過した頃、持病の治療の為一ヶ月ほど入院しなくてはいけないので退職すると告げてきた。
この時点でも嘘や遅刻が相変わらず酷かったのでいつ契約を更新しない旨を告げるか悩んでいたので渡りに船だった。
そして最終勤務日。
彼には、「お疲れさまでした。持病の方をしっかりと治してください。」
と、私はそれだけ言った。
その日は彼が働いてる現場には彼しかいなく、私は彼に預けてある物を受け取りに行った。
彼はその日は最初から最後まで礼儀正しく、私が現場を去る時は深々と頭を下げた。
そこで私はこう言いたかったのを抑えた。
「あなたに有るのはその表面的には丁寧に見える所作だけでしょ。それだけの人間だろ。初対面の人間は騙せるかもしれないけど、誰もお前となんかと二度と仕事をしたくないよ。お前は典型的な口だけ野郎じゃないか。」
抑えたのは私が帰った後、怒りで現場を荒らされても困るからだ。
その後1か月ほど、夜に電話がかかってきたが全て無視した。
一度入院中の外出日に現場に来てもう一度雇って欲しいと言ってきたが厳然と断った。
入院の外出日に週2~3日働いていた元職場にくらいしか行くところがない寂しい人間なのだ。
彼もこうなりたくない老人の1パターンである。