仕事は当たり前だが発注側と受注側に分かれる。
どっちが偉いとかを言いたいのではない。
私は現業に近い人に仕事をお願いしているが、とてもじゃないが仕事を与えてあげているなどの気持ちにはなれない。
むしろ、やって頂くという気持ちで発注している。
私が社会人になった24年前、私は大企業のお金を使う、いわゆる発注側の部署に配属された。
新人であったが、営業マンからチヤホヤされたのは立場に因る物である。
変な勘違いはしなかったが、先輩から「仕事を此方が与えてるからコッチが上だと思うなよ。」とは言われた。
相見積もりをした時に受注した会社の営業マンから商品券などを貰う事もあったが、それは全て上司に報告した。
接待昼飯に誘われた事もあったが、それも上司に報告した。
上司は昼飯くらいなら良いんじゃないかと言われたので受けた。
営業マンは大変だなあと新人ながらに思った物だ。
この時は決して驕ってはいなかったが、此方が発注している以上は多少こちらの都合で動いてくれても良いだろうとは思っていた。
時は流れて今。
此方の都合を押し付けてばかりではどうにもならない事を今の仕事を通じて思い知った。
元々私は高圧的な人間ではない。しかし体格が良く押し出しが良いので割と強引に自分の思う通りに物事を進めてしまっている自覚はある。
下出に出過ぎて仕事が進まないよりは良いとも思っている。
仕事を与えているから偉いなどの感情は相変わらずない。
厳密な判定をすると、自分自身と向き合うと大企業の発注側にいた時に自分の方が上だという感覚がゼロだったかと言うと嘘になる
とにかく今は私の為に仕事をしてくれる人には感謝の念しかない。
そして私も同時に受注側でもある。
物腰が丁寧な人もいれば、露骨に「うちはお金払ってるんだから~」と言ってくるのもいる。
ただ、お金を払ってるからやって当然という態度で断られた時の事を考えた事はあるのだろうかと思う時はある。
何度か面倒なだけでお金にならない仕事を断った事はある。
向こうは万が一にも断られるとは思っておらず、いずれも執拗に食い下がられた。
普段からやって当然という言動をしていなければ私も人間で感情があるのだから受けたのに。
昨今の人出不足は凄まじい。
現場に近い人間や会社ほど有利になってくると思う。
「金を払ってるからツベコベ言わずやれ」
これは早晩通じなくなるだろう。